2013年6月23日日曜日

TRPG 喪失ゲーはムズカしい?

以前、次のようなことを書きました。TRPG 喪失ゲーがムズカしい? - alternative dvamp's territory

『喪失ゲー』=『ヒーロー(ヒロイン)がヒロイン(ヒーロー)と別れて成長する』ゲームをした経験から言うと、タイトルの通りの印象を持っています。

実際、同じ『喪失』をテーマとした、DX3rdのシナリオをオフラインセッションで5回、オンラインセッションで8回(テキスト3回、Skypeによるボイス5回)行い、次の結果を得ています。

  • オフラインセッション:ラスボス討伐5/5回、ヒロイン死亡0/5回
  • オンラインセッション:ラスボス討伐1/8回、ヒロイン死亡8/8回

シナリオに登場するNPCは以下の3人です。

  • “アイスマン”アイスマン:UGNの幹部、タカ派で少々の被害が出ても、FHへの攻撃を優先する命の重さを数で計算する冷徹な男。
  • 沙織:両親をオーヴァードが引き起こした事件で亡くした女子高生。家が裕福だったため、遺産を使って生活を続けている。
  • 光:両親をオーヴァードが引き起こした事件で亡くした小学生。活発な性格でショートカットなので、分かり辛いが女の子。正義のヒーローに憧れており、ヒーローのお面をよくつけている。孤児院で暮らしている。

シナリオはUGNの幹部が次々と殺害されており、犯人であるジャームを捜索するというものです。調査していくと、UGNの幹部が殺害された際は現場付近には常に雨が降っており、PCたちが現場に向かった時は沙織とよく出会います。

沙織のイメージは以下でした。

捜査を続ける中で、沙織が雨に関連した能力を持つオーヴァードであり、彼女がUGNに恨みを持っていることが分かります。

また、窃盗現場を目撃したPCは正義のヒーロー(“コード・ブレイカー”)がきっと取り戻してくれると言う光と出会い、しばらくすると、半殺しにされた窃盗犯のニュースがTVに流れます。

セッションに参加した人はここで、沙織と光がジャームで、UGNの幹部を殺害しているのでは?と考え、調査を継続するのですが、UGNの幹部の死因を調査すると、鋭利な何かによる外傷が死因であり、彼女たちの能力と直接関連がないということも分かります。で、実は以下のようになっていまして…。

  • “アイスマン”アイスマン:実はジャーム。穏健派のUGN幹部を殺害し、UGNの全権を握ろうとしている。
  • “サッド・レイン”沙織:実はオーヴァード。“アイスマン”にUGNへの復讐を唆され行動しているが、殺害まではできなかった。ヒロイン。
  • “コード・ブレイカー”光:実はオーヴァード。“アイスマン”にUGNが悪の組織であると唆されている。正義のヒーローは悪を殺さない(TVでも殺す場面がないので)と思っており、殺害まではしていない。ヒロイン。

高い難易度の情報収集で成功すると、アイスマンが怪しいことが分かり、そちらに急襲をかけることになりますが、大抵情報収集が得意なキャラは少ないので、全13回中、オフラインの2回のみこのルートに進みました。情報を抜けない場合は霧谷雄吾を使った囮作戦が発動され、その場に襲撃をかけてきた沙織、光と戦っている最中に、この二人がジャームではないことが分かるようになっていました。

ジャームではないことが分かるのは二人が『《リザレクト》を使ってくる(1回のみ)』、『ロイスをタイタスにして復活してくる(1回のみ)』の2点からです。《リザレクト》は侵食率が100%未満でなければ使用できず、侵食率が100%を超えている存在であるジャームは使えません。また、ジャーム化を、唯一食い止めてくれる存在であるロイスを持っているということはジャーム化していないということを意味しています。この2点からこの二人がジャームではなく、実は黒幕がいるということに気付き、二人から話を聞き(話を聞けばUGN幹部の居場所をアイスマンが教えているということが分かります)、黒幕(アイスマン)とのラストバトルに進むというルートでした。

オフラインではここで二人がジャームではないことに気付き、アイスマンと戦うルートに進むのですが、オンラインでは全セッションでそのまま戦闘を継続し、二人を殺害する結果になりました。殺害ルートに進んだプレイヤーからは後で「ボスが弱過ぎる」とか言われる結果になりました。何故こんな結果にオフラインとオンラインで異なるのかな?という疑問については、以下のように考えています。

キャラクターとオンセ環境の考察 - 日記兼日々のボヤキ

先に言い訳しておくと、自分の経験上「オフラインセッションでもやっぱり同じ使い方をする人が多い」というのが実情。クイックスタート+下駄成長点でキャラを作ってもらう場合に限らず、突発セッション用に「放浪の歌い手」+戦闘向けの強スキル(《カノン》や《バタフライダンス》も含む)でガチガチに固めた支援特化フィルボルを持ちキャラとしてキープしているという人まで。

こうなりやすいのもセッション環境が理由で、「シナリオ傾向や他のPCの能力が分からない突発セッションでは、尖ったキャラで自分の役割を固定した方が遊びやすい」からだと思われます。

流星亭日誌@はてな(アリアンロッド&TRPGオンリー)

シナリオ傾向や他のPCの能力が分からないといいつつも、「戦闘がないセッションなどありえない!」という決め打ちに基づいて、キャラクターを作成しているので、戦闘中に活躍できる、尖ったキャラを持っているのではないでしょうか。

つまり、オンラインで遊んでいる人の多くは「戦闘がないセッションなどありえない!」という視野狭窄になっていることがあり、戦っている敵が必ずしも敵ではないという可能性を考慮しないことが多いのでは?ということです。そういう意味ではオンラインセッションでの『喪失』ゲームは難しいかもしれませんね。

4 件のコメント:

  1. もっと単純に「オンラインセッションでは十全に情報が伝わらない」が原因では? 勿論言う通りオンラインセッション界隈に揃っているのが脳筋ばりのウォーモンガーばかりだというのもあるだろうけれど、推察部分なんかは特にオンラインセッションの末期で煮詰まった脳では見過ごしがちになるので、オフよりもっと理解り易い形で提供しないと難しいのではないかと。

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    1. >位坂敏樹さん
      コメントありがとうございます。
      「オンラインセッションでは十全に情報が伝わらない」という要因も大きいとは思うのですが、テキストチャット以外に、Skypeによるボイスオンセでも全く結果に変化がなく、やはりウォーモンガーなのではないかなと思うんですよ。
      キャラデータを見てもオンセは基本戦闘特化の脳筋ばかりだったので…。

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  2. おはようございますー。
    なかなか興味深いお話なので、自分もコメントさせていただきます。
    オンセメインで戦闘メインで遊んでる自分としては、若干耳が痛いですが。

    まず前提としてFEARのゲームはクライマックスを戦闘にする事が推奨されていたと思います。
    ですので、戦闘特化のキャラを作ってくるのは、当然という気がしますし
    脳筋と罵られるようなものでもないと思います。

    それをオンセPLの視野狭窄といわれると、逆にこう言いたくなります、
    dvampさん自身がオンセPL=ウォーモンガーであるという視野狭窄に陥っているのでは?と。
    ブーメンランじゃないの?と。

    オンセ、特にテキストオンセは一度動き出した流れを途中で変更するのが、難しいのは事実で、
    最初に疑った人物を倒すという流れが出来てしまうと、それを軌道修正するのが難しいのですよね。
    スカイプセッションはテキストよりは、融通が利くようになりますがそれでも
    GMや他PLの表情が見えるオフよりは、流れの軌道修正は難しいと思います。

    まあ、実際にdvampさんと卓を囲んだオンセPLの方が脳筋さんだった可能性はかなり高いですが、
    それをオンセPLは脳筋が多いとしちゃうのは、早計かなと思う次第です。

    話は変わりますが、ヒロインのイラスト雰囲気良いですね! 自分ならこんなヒロインは殺したりしないのに!

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    1. miyaさん、コメントありがとうございます。
      お返事長くなりましたので、blogに記載しました。

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